「Perfume COSTUME BOOK 2005-2020」
文化出版局



現代日本社会においてPerfumeはとても多層的な存在であり、
Perfumeについて語られている時は常に注意が必要だ。
Perfumeについて関心の薄い人々が口にする場合、
それは「あ~ちゃん、かしゆか、のっちの3人」といった限定的な意味しか持たないが、
私のようなめんどくさいファンクラブ会員が指し示すPerfumeとは
「メンバー3人はもちろん、それを取り巻く優秀なスタッフ陣、
中田ヤスタカの楽曲世界、MIKIKO先生の振付とライブ演出による立体化、
参加する大勢のファンすべてで編み上げる一大プロジェクト」だったりする。
この書籍はそのプロジェクトの一部の、15年に渡る活動資料だ。別の言い方をするならば、「衣装から光を当てたPerfume史」。
これら衣装はただの服ではなく、メンバーを引き立たせ、支え、引っ張った
重要なPerfumeのパーツであるということが本書を紐解くことでしみじみとわかる。
「Magic of Love」ののっちのトゲトゲ最高すぎます。
MoLで言うとその年の紅白は真っ白なシンプル衣装で、まさかのアレですよアレ。
真っ白といえば2010年初回東京ドームの入場時に(以下略)
衣装にそれぞれに添えられたコメントに加え、
スタッフやメンバーへのインタビュー記事もあり、とても読み応えのある一冊。
今年メジャーデビュー17周年。
「アイドルという概念そのもの」を変えたレジェンド達は、
まだまだ先陣を切って未開の宇宙を切り拓いていく。
高崎立郎(ジュンク堂書店高松店 店長)